卒業生講話が行われました

 11月17日(金)、本校を今年3月に卒業し、現在NPO法人就労支援B型事業所ライズ(札幌市)で就労し、グループホームで生活している僧都さんと、サービス管理責任者の千葉様が来校し、卒業生講話をしていただきました。

 まずは僧都さんの在校時の様子の写真を何枚かスクリーンにうつすと、懐かしく内容を説明する様子が見られました。ライズ様では、ペッ トボトルのリサイクルを主に行っており、僧都さんも働いています。実際に働いている様子の動画を見ながら、細かく作業内容の説明をしていただきました。中には3つのことを同時に見ながらこなさなければならない仕事もあり、在校生からは「すごい」などと歓声があがっていました。僧都さんは、「すごいな、こんな風に見えているんだ」と、僧都さんにとっても自分の働く姿を客観視する、良い機会になったのではないかと思います。

 グループホームについては、1人部屋で、規則正しい生活をしているとのことでした。部屋には、本校での思い出の品々が沢山飾られていたのが印象的でした。金銭帳を付けており、無駄遣いしないように気を付けているとのお話をしてくださいました。グループホームにはいくつかルールがあり、それを守りながらの共同生活ですが、お誕生日にはパーティを開いてくれて、リクエストしたメニューを用意してくださったり、鍋や焼き肉など1人ではなかなか食べにいけないもの、海鮮丼などの豪華なメニューが出る日もあったりするとのことでした。服薬に関しても、服薬カレンダーを活用し、飲み忘れることのないように自分で管理しているとのことでした。

 事前に在校生が用意した質問にいくつか答えてくださいました。

 身に付けておくとよい力は「状況判断・周囲を見て安全判断する力」。今後の目標は「工場長に認められ、B型の作業を制覇すること」。「高校時代、日曜日、坂を登るのがしんどかった」、「小平での生活は社会に向けた土台作り。体力つくり、作業学習をとくに頑張ってほしい」、「在学中やっておけばよかったことは、自分の悩みを考えて解決できるようになること」、「ライズでの仕事をとおして、循環の輪(SDGs)に関わることができていることが嬉しい」「笑顔の挨拶は好かれやすい」「敬語は当たり前」「人生の目標は移行支援に進んで、社会人としての力を付け、一般就労を目指していきたい」と卒業前と変わらない希望に満ちた笑顔で話していました。

 僧都さんと千葉さんのお話の中で、「全体・周りの状況をよく見て仕事をすること」「笑顔」「社会貢献」「自分が言われたら嫌なことは他人に絶対にしない」とのお話をお聞きしました。このお話は生徒だけではなく、私ども社会人・教員にも当然として必要とされる力であり、深く考えさせられました。また、僧都さんは事業所でもグループホームでも本校の先輩がいるため、困ったときには頼ったり、休日に出かけたりすることもあるとのことで、小平のつながりが、遠く札幌でもつながって、助け合いながら自立に向けて生活しているということがとても嬉しく感じました。

 最後に、大変お忙しい中、NPO法人就労支援B型事業所ライズ 僧都さん、サービス管理責任者の千葉様には遠く鬼鹿まで足をお運びいただき、貴重なお話をいただきましてありがとうございました。生徒の皆さんも自らの未来に向けて、今回のお話を参考にしてもらえたらと思います。